増え続ける医療難民を救う

増え続ける医療難民を救うことが薬剤師に求められる

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独居老人などで医療や介護を受けられるけれど見過ごされている人もいます。ここではそれ以外、国の政策で大量の医療難民が出るというものです。財政難と高齢化問題の結果生じた事態ですが、大きな社会問題になります。

 

増え続ける医療難民を救うことが薬剤師に求められる

 

療養病床削減によって医療難民が増えた

 

病院のベッド(病床)には2種類あり、ケガなどの入院は一般病床です。そして、長期の療養をする人が入るのは療養病床といいます。両方をもつ病院をケアミックス型病院といいます。その他特殊なものには、精神病床、結核病床、感染症病床があります。これらは、絶対必要な療養のために確保されています。

 

この療養病床には医療保険対象のものと介護保険対象のものに分かれています。医療機関には、自宅介護のできない老人や精神的な疾患の患者が生活のために入院しているケースがあります。社会的入院といいます。厚労省は社会的入院を是正・解消するため病床の廃止、削減に乗り出しました。医療保険対象の病床を25万から15万に削減し、介護保険対象病床13万病床を廃止して、こちらは老人介護施設へ移行をするというものです。

 

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法律が改正されると、すぐさま影響を受けるのは患者です。彼らは、特別養護老人ホームや老人保健施設、ケアハウス、有料老人ホームに行かざるを得ません。しかし、急激な対応ができるかどうかは受け入れ側でしか把握できません。この中には社会福祉法人でしか対応できないものもあるのです。

 

また、今の施設はどうなるのでしょう。医療病床への転換やリハビリ施設への変更には整備にお金がかかり、施設側の事情もあります。そして、病床移行はなかなか進まず、介護型は2017年まで延長されています。先行きは不透明な施設が多いのが実情です。

 

 

コーディネーター役を担う薬剤師の存在

 

態勢が整わないと、それまでは患者は苦しい思いをします。施設の整備、在宅受け入れの可否・・これはまず難しい、介護側の報酬の充実などが大切なのです。ここで薬局の役割を考えてみると、今後のある形が見えてきます。ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を持つ薬剤師が多数います。これからは彼らと病院の橋渡しをしていく仕事が重要になると考えられます。薬局・薬剤師が現状の調剤主体の仕事から、地域住民の健康管理や医療コーディネーターとして機能することが認識されれば、大きな安定した業務となるでしょう。

 

 

■ケアマネージャー
介護支援専門員のこと。要介護者からの依頼を受けて、要介護認定の結果に基づき、介護サービス計画(ケアプラン)を作成するとともに、その計画に基づいて居宅介護サービス事業者と連絡調整、もしくは介護保険施設への紹介その他便宜の提供を行う。
現在ケアマネージャーは43万人が登録されており、薬剤師の資格取得者も多い。




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