薬局調剤医療費への批判が高まった
ツイート薬局調剤医療費については「急激な伸びが医療費高騰の要因になっているのではないか」との批判もあります。この指摘は当を得ていない面もありますが、こういった声があることを真摯に受け止める必要もあるでしょう。
疑問視された分業の費用対効果
医薬分業が進むと薬局調剤医療費(調剤金額)が多くなってきます。これは今まで医療機関が負担していた薬剤費が移行したのも一因です。分業が進むのに薬局調剤医療費を増加させないのは無理なことなのです。ただ2010年の該医療費は5兆6,000億円、厚生省の調査では6兆円を超えていて、全医療費の16%に相当します。2001年には10.8%でしたので数値だけを見ると明らかに増加と受け取られます。
以前と異なり逼迫・悪化した財源の中で薬局調剤医療費も削減を考えなければなりません。薬局数は適正数の2倍以上の5万3000軒、薬剤師数は13万人です。それを支える事務系スタッフもいます。薬局の統合による事務系職員と薬剤師の削減による人件費抑制の努力が必要でしょう。処方せんのコンピューターによる発行による簡素化などにより、薬剤師の処方せん処理能力は高まっているとも考えられます。
40枚/薬剤師の基準変更などが考えられます。
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調剤医療費に見合うサービスとは何か?
1997年段階で調剤薬局の将来デザインを日本薬剤師会が想定しました。処方せん発行数7億枚、調剤薬局数2万4000軒、処方せん処理能力3万5,000件/年です。2010年、発行枚数は7億枚ですが、調剤薬局5万3000軒、年間処理数1万4000枚であり、薬局が想定の大きさと能力を持っていないのです。薬局の集中と統合はある程度必要です。ただし、労働環境の複雑さなど産業構造的な問題もあり、簡単にはいかないでしょう。
また調剤医療費の高騰に批判があるのは、明らかに分業したことでの無駄な2重の支出が発生していることを誰もが感じています。それなのに、明確なサービス向上感や安心感が得られていないのが実情です。薬剤師の患者への信頼を得る努力と、調剤薬局の存在が必要不可欠であることを強調できる確証が必要です。
薬局のグランドデザインでは100%分業時の処方せん枚数を10億枚、必要薬局数を2万4000軒、薬剤師数を96,000人と想定していた。現在薬局数は5万3000軒、薬剤師数は14万人で想定数をはるかにオーバーしている。このことが調剤薬局の零細構造を招いたと言える。
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