薬理学の基礎知識について
ツイート薬を服用する際には、一定の基準に沿った服用方法を守ることが大切です。さもないと、本来の効果が得られなかったり、副作用によって体調を崩してしまうかもせれません。薬理学を学ぶうえで、薬は毒にもなるという事を知っておくと良いでしょう。
すべての薬は毒性も併せ持っている
紀元前2000年ごろ、既に医薬品という概念が存在し、その製造も行われていたといわれています。初期の段階では、動植物や鉱物等をそのままの状態で、もしくは粉末にするなどして服用していました。いわゆる生薬というものです。
19世紀になると、生薬に含まれている有効成分の抽出が可能になり、それらを分離精製するようになりました。その後、細菌学や病原微生物学が確立されると、血清療法が誕生しました。そして、化学合成による薬剤が次々に開発されるようになりました。
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しかし現在、自然界で収集できる薬物はほとんど出尽くしたといわれ、化学合成する物質の組み合わせも限界にきていると考えられています。そこれ、遺伝子治療やゲノム創薬といった、人間の抗体産性能や免疫反応をターゲットにする薬剤の開発に関心が集まっています。
私たちは、風邪をひいたり怪我をした時、その治癒のために薬を服用します。治癒効果として認められる部分を主作用と言います。ただ、薬はあくまでも人体にとって異物です。本来持っている人体の機能に外的影響を与えることで身体の状態を改善させることが目的ですが、逆に人体に悪影響を及ぼすこともあるのです。これが副作用です。
全ての薬剤は副作用と呼ばれる毒の部分を併せ持っているわけですが、主作用が副作用より大きければ薬として認められ、副作用が主作用より大きければ毒と呼ばれることになります。そして、薬と毒という二面性を考慮し、新薬を開発する際には、幾重にも及ぶ安全性を確かめる検査を行います。
動物の50%致死量の1/600の人間への投与量
医薬品の開発は、「どんな病気に効果のある薬を開発するか」という目標設定から始まります。例えば、高血圧の治療薬を開発するとしましょう。血圧を下げるために「血管を太くする」方法、「血管をやわらかくする」方法、または「血液の生産を抑える」というように、様々なアプローチが考えられます。
まずは、そのような効果が期待できる物質を、自然界から見つけ出したり、化学合成で作り出したりします。次に、候補に挙がった物質の性質を調べます。例えば、血管を柔らかくする効果はありそうだが、血液を固めてしまう性質を持ち合わせる場合、その物質を使うわけにはいきません。そのような不適切なぶっしつをふるいにかけ、残った物質の中で動物実験を行います。
この動物実験で、期待する効果がある物質をピックアップします。ここまでが初期のスクリーニングテストです。その後、ピックアップされた物質について、前臨床検査と呼ばれる動物を使った生体実験が行われます。
中でも、有害な作用の程度を調べる毒性試験は重要視されています。基本的に、薬の投与量が増えると薬理作用(主作用)が高まり、ある用量から毒性が発現し、場合によって死に至ることもあります。主作用が現れる最少の量を「最少有効量」、最大の作用が現れる量を「最大有効量」と呼び、有害な症状が現れる量は「中毒量」等といわれます。
50%の薬理作用が現れてから、50%致死量までの間隔が広いほど、安全化かつ効果の長い薬剤ということになります。感受性の高い動物の致死量50%にあたる用量の1/600が、人間への投与量の安全基準となっています。
例えば、薬剤Aのネコにおける致死量50%用量が体重1キログラムに対して500ミリグラムだったとき、60キログラムの人間の適用量は、500ミリグラム×60キログラム÷600=50ミリグラムということになります。
毒性試験では、催奇性試験や生殖能試験、発がん性、依存性等、致死量以外にもいろいろな角度から検証されます。
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