治験とは何か?
ツイート薬の安全性と有効性を確かめるには、長い年月と労力がかかります。たった1種類の薬剤が私たちに届くまでに、何十年という時間が必要な場合もあるのです。
前臨床試験では、毒性試験の他に薬物動態試験というものが行われます。薬物動態試験とは、薬物の代謝の経過的変化を測る試験で、動物の体内に投与された薬物の血中濃度がある%に達するまでの時間、目標の部位に到達するまでの時間、体外に排出されるまでの時間等を調べます。
また、様々な投与方法による吸収と代謝の比較を行います。薬を服用するには、経口、注射(皮下、筋肉、静脈等)、座薬といったたくさんの方法があるため、目的の疾患の治癒に最適な投与方法と投与量を検討するのです。
いろいろな実験の評価が書かれている文献では、インビトロ(in vitro)、インビボ(in vivo)という用語を頻繁に目にします。これれはラテン語で、実験を行った際の条件を示しています。
インビトロは「試験管の中で」という意味で、試験管やビーカー、フラスコといった容器の中で行われた実験を指し、インビボは「生体内で」という意味で、マウスやイヌ、あるいはヒトを使った生体実験を意味します。
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3段階の臨床試験
臨床試験とは、前臨床試験で十分な薬効と安全性が確認された薬剤をヒトに投与し、その主作用と副作用を確かめる行為のことです。いわゆる治験と呼ばれるもので、3段階に分かれています。治験を行うには、まず被験者を確保する必要があります。特に条件や枠組みを設定せず、無作為に集められた被験者たちを二つのグループに分けます。
一方のグループには対象の薬剤を、もう一方のグループにはプラセポと呼ばれる偽の薬剤を、同じ用量、同じ条件下で投与し経過を観察、結果を評価します。この時、グループ分けされていることを被験者たちは知りません。これを二重盲検法といい、治験ではこの方法が用いられます。
フェーズ・ワン、ファースト・ワンと呼ばれる第T相試験では、少人数の健康な男性の治験志願者を募集し、薬剤を投与します。ここでは、薬効よりも薬剤の安全性や体内動態を観察します。第U相試験は2段階に分かれています。まず、患者同意のもと薬を投与し、その薬剤がどんな病気や病態に効果があるのか確かめます。
次に、投与量や投与方法の違いでどれだけ効果に違いがあるのかを比較します。第V相試験は最も重要な試験と言え、これをパスすることで市場へ出すための認可を取得することができます。対象となる疾病によっては、新薬への期待度も高くなり、この段階でも既に注目を浴びている場合もあります。
可能な限りたくさんの患者を被験者にし、薬剤の主作用と副作用を詳しく調べ上げ、検討するのです。
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