薬害問題を根絶するための対策について
ツイート薬害事件が起きるたびに、国は医薬品の監視体制の強化を繰り返し行ってきました。薬害根絶への道は厳しいですが、少しでも改善されるよう様々な取組みがなされています。
厚生労働省は薬の正しい使用を国民に浸透させるための施策として、「医薬品等安全性関連情報」を配信しています。医薬品の安全性を確認するためには、臨床試験を徹底することが大切ですが、一方で過去に起きた薬害の反省から、薬剤市販後に追跡調査をする大切さを改めて学びました。開発薬の実際の使用状況を配信して、国民に知らせるようにしています。
1997年、国は「医薬品等安全性情報報告制度」を発足させ、国内の医療機関と薬局が医薬品の副作用等の情報を厚生労働省に報告することを義務付けました。これにより集まった「医薬品・医療用具等安全性情報」は、月末に厚生労働省のホームページに載せられます。
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副作用に関する報告は、3種類に分けて載せられます。一つ目の「未知症例」とは、副作用の可能性が疑われながらも、臨床現場でそうした症例がまだないもののことをさし、そのまま医師や薬剤師に注意を呼びかけます。二つ目の「既知症例」については、その詳しい症例の経過を載せます。
三つ目の「報告副作用一覧」は、未知症例と既知症例をすべてリストにし、医薬品ごとに副作用名、年度、発症数を載せます。副作用の症例が報告された場合、その後の経過も略号を使って表示されます。
安全性情報を報告する製薬メーカー
医薬品メーカーも、自ら取り扱う医薬品に関して情報収集を行い、厚生労働省に報告するようにしています。この「緊急安全性情報」はドクターレターとも呼ばれ、厚生労働省と医薬品機構からインターネットで速報として流されます。また、印刷物にされて医療関係者に配られます。
さらに「医薬品等の回収に関する情報」として、2000年以降有効性に疑問があったり重度の副作用が報告されたりして、回収が決定した薬の情報も配信されています。
他にも、アンプル剤のように、容器の形状から内服用か注射用かを判断するのが難しく、投薬方法を間違えやすい薬の情報や、名前が似ていて医療事故を引き起こす可能性のある薬については、「医薬品に関連する医療事故防止対策」として掲載しています。新薬に関する審査報告書は「新薬の承認に関する情報」の欄に告知されています。
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