海外進出と業務の効率化を目指す医薬品メーカー

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国内の医療費抑制策は慎重に進めないと、医療界自体の活力を低下させかねません。国内の薬剤費を抑えつつ、医薬品メーカーが企業規模を保ち、利益を増やしていくためには海外進出を目指すことと、業務の効率化を図ることが必要です。

 

海外進出と業務の効率化を目指す医薬品メーカー

 

厚生労働省は、02年発表の医薬品産業ビジョンで、各医薬品メーカーを4つに分類し、それぞれの規模と特徴に合わせた経営をするべきだと提案しました。1つはメガファーマで、世界に通用するレベルの国内最大手メーカーのことです。

 

2つ目はスペシャリティファーマで、特定の分野においては海外進出も可能なレベルの能力を備えている中堅優良企業です。3つ目のジェネリックファーマは、ジェネリック医薬品の製造販売を専門とするメーカーです。

 

4つ目のOTCファーマとは、主に一般用の医薬品を開発するメーカーです。しかし、このように4つに分類したものの、各グループの目標が不明確であるという問題が残りました。

 

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国際競争力の強化を見据える

 

02年の反省から07年の新医薬品産業ビジョンでは、4つのグループそれぞれの目標がはっきりと打ち出されました。メガファーマは世界に通用する医薬品を常時複数持つこと、さらに、メガファーマのうち1〜2社には、世界のトップ10に入るようなグローバル・メガファーマになることを目標に定めました。

 

メガファーマには、自社の利益追求にとどまらず、希少疾病医薬品(オーファンドラッグ)の開発や、アンメット・メディカル・ニーズへ対応することなど、業界のリーダーにふさわしい社会貢献を担うことも期待されます。

 

スペシャリティファーマのグループは、さらに2つにわけられました。1つは規模が小さくても、優れた研究開発力をもつ、グローバルニッチファーマと呼ばれるグループで、一つでも良いのでブロックバスター(世界中で大きく売り上げる医薬品)の開発に成功し、世界で注目されるメーカーを目指すことを目標とします。

 

 

もう1つは、絞り込まれた特定の研究分野における医薬品をつくり、国際競争に勝つことのできるメーカーを目指します。07年の新ビジョンでは、ベーシックドラッグファーマというグループも加わりました。これは、漢方薬、ワクチン、輸液などの基礎的な医薬品を安定して供給できるメーカーです。

 

そして、ジェネリックファーマとOTCファーマのグループも、今後医療費抑制策を進めつつ、医療水準を落とさないようにするために、価格の安いジェネリック薬を浸透させ、大衆薬を充実させることで、適正な治療を可能にするという目標を掲げています。




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