改正薬事法における医薬品販売のチャンスが拡大
ツイート09年に改正された薬事法では、薬剤師がいなくても登録販売者がいれば、市販のOTC薬(一般用医薬品)の内の95%を占める第2類、第3類の販売が可能となりました。このことで、他業態が参入を加速しています。
登録販売者の活躍が期待される
日本は、人口減少時代に入りました。従って、小売市場全体のマスが小さくなっていくので、市場の成長を望むことはできません。企業が発展するためには、成長性の強い他業態のビジネスを奪っていくことが必要となります。
2055年に日本の人口は、9000万人を割り込むことが予測されています。食品、家電、アパレル、雑貨などは軒並み市場が縮小します。当然それに伴う小売業の売上は減少します。もう少し詳細に、そのときの人口の年齢別構成比を見てみると、50歳以下が3700万人の減少、50代以上は100万人ほどしか減少しません。
つまり、超高齢化社会になっていくのです。50代以上は、人口構成比で60%を占めるようになるのです。このことからも、健康が最大の関心事である高齢者社会では、調剤薬、OTC薬、健康食品、ヘルスエイド食品などのヘルスケア市場は拡大していくでしょう。
スポンサーリンク
他業態でも医薬品販売が可能に
HBC市場は、年齢が上がるにつれ需要が増します。他業態もこの分野には関心があります。調剤薬局大手のアインファーマシーズとセブン&アイは業務・資本提携を行いました。記者会見席上で「高齢化社会が到来し、医療・健康・美容のニーズは一層高まります。
アインファーマシーズの専門知識、技術力の活用は、従来以上の創造性に富んだ事業展開ができる」と発言しています。ドラッグストアにとって、改正事業法は薬剤師不在でも登録販売者がいれば長時間営業できます。
しかし、デメリットとしては、今まで独占的販売していたOTC薬販売への他業態参入を許してしまうことになったのです。予測としては、20%程度は家業態のシェアになると見られています。参考ですが、OTC薬の販売が自由である米国では、ドラッグストア業態がもっているOTC薬のシェアは35%に過ぎません。65%は他業態のものなのです。
アインファーマシーズ
調剤薬局業界最大手の企業。2010年4月期は売上高1270億円(連結)を予想。本社は札幌市。
ツイート