病院から近い薬局が選ばれる理由

病院から近い薬局が選ばれる理由とは?

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患者が薬局を選ぶ基準を考えると、いろいろありますが、結局は「医療機関に近い薬局」を選んでいることが多いのです。自分の健康を継続的に管理するならば、慎重に選ぶべきなのですけど。

 

病院から近い薬局が選ばれる理由とは?

 

薬局は病院から近い方が選ばれている

 

処方せんを受け取った患者の多くは、医療機関の近くにある薬局に行き調剤してもらうことが殆どです。いろいろな調査機関が調べても、ほとんど同じ結果です。医療機関の「患者の誘導禁止」規定により、調剤薬局を指定することはできません。

 

分業が始まった頃は、調剤薬局も少なかったですし、院内薬局が外に移ったのだ、程度の認識で、近くの調剤薬局でもらうことが当たり前のようでした。

 

しかし、それから40年の時が経ちましたが、相変わらず「近くの薬局志向」は変わっていません。このことは、薬局の業務内容の向上やコミュニケーションや患者への対応を充実させることに取り組んできたことに効果がなかったと言えます。

 

また、患者にも、自分の健康への意識改革を進め、かかりつけ薬局をつくるまで意識が高まっていないことを顕している結果です。

 

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理解されていない分業の意義

 

医療機関から近い薬局を選ぶのは、利便性が最も重要である、ということです。患者は直接、医療機関で医薬品を出して欲しいが、仕方ないので近くで貰おうというのが本音でしょう。調剤薬局の意義は個人のかかりつけ薬局になることです。

 

患者がかかったすべての医療機関の処方せんを受け付て、患者情報を一元管理しておき、飲み合わせや副作用について即座に対応する。その意義が40年間にわたり国民に理解されず、浸透していないのは、薬剤師の怠慢と意識不足にほかなりません。

 

国が推進する医薬分業は、国民へのより良い医療システムの構築です。薬剤師の理解と努力がこの程度では、医薬分業の意味がありません。実際、新潟にある厚生連の三条病院は、院外処方を停止、院内薬局に切り替えたのです。患者からはかえって喜ばれています。この現実が、時代を逆行させないよう、薬剤師は肝に銘じ無ければなりません。

 

 

■新潟三条病院(三条市)
2009年5月からそれまでの院外処方せんから院内処方に切り替えた。この影響で、周囲の薬局の中には受け取る処方せんが従来の7割減という大打撃に見舞われ、閉鎖を余儀なくされた店舗も現れた。行院側は患者の希望と薬価差収益が見込めるためと説明している。




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