医薬分業の現状について

正念場を迎えた医薬分業の現状について

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医薬分業は今大きな曲がり角にあります。医薬を分離することで患者への適正な診療と薬剤の提供を行えるとの判断がなされたために国主導で強力に推進されてきました。その結果60%以上の成果が得られ、今では医薬分業というスタイルが当たり前になってきています。

 

しかし今後は、使っている公共料金と国民への適正なサービスと還元される価格が国民・患者に厳しく問われることになります。

 

正念場を迎えた医薬分業の現状について

 

調剤薬局のパラダイムシフトについて

 

1997年に日本薬剤師会は医薬分業で必要な調剤薬局数は2万4000軒と想定しました。しかしながら現在では調剤薬局の数は5万3000軒もあります。そしてドラッグストアでも調剤に参入し始めたため、過剰数であることは明白です。調剤薬局・ドラッグストアのM&A(吸収・合併)は一層激しい時代に突入しました。

 

1995年〜2005年の10年間は調剤薬局が急成長した時期です。それは国のバックアップ、医療機関の院外処方箋発行の気運も重なり大手のチェーン調剤薬局が数を増加させたのです。しかし、その結果分業率は60%を超えてくると、院外処方箋の発行数も頭打ちになってきました。

 

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社会の人口構成比も変わり高齢者が増加すると、税の歳入より支出が多くなります。それは慢性的な財政赤字・破綻寸前の医療保険財政、増え続ける介護費用などどれも大きな問題となっています。

 

そのために医療費全体の無駄・見直しが始まっています。そこで洗い出された薬局調剤医療費の高騰に注意が向けられているのです。2012年4月から医療費が改定されます。これも逼迫した財政のなかでやむを得ない措置と言えるでしょう。

 

いずれにしても調剤薬局は現状を打開するための方法を打ち出さねばなりません。薬剤師は現状に満足しないで自らの質と数を確保しなければなりません。そして新しい分野の開拓や調剤以外の主になる独自性を打ち出して行く必要があります。キーワードは薬剤師の確保と養成です。




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