新薬の承認審査が遅れることで、医療費負担が増加する

新薬の承認審査が遅れることで、医療費負担が増加する

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新薬は、厳しい審査を通過してようやく承認され、市場に出回るようになります。薬は人体に直接影響を及ぼしますので、厳しい基準で判断することは重要です。しかし、少しでも早い新薬での治療を待ち望んでいることも事実です。

 

審査を編密に行い、なおかつ素早く市場に出すために、審査華僑の整備と優れた人材の確保が課題となっているのです。

 

新薬の承認審査が遅れることで、医療費負担が増加する

 

世界的には有効な治療薬として確立されているにも関わらず、日本ではいまだに承認されない薬剤は数多く存在します。そのような薬剤は未承認薬と呼ばれ、個人輸入によって入手するしかなく、また保険適用外のため、患者は薬代を全額負担する必要があります

 

問題は、こうした未承認薬のほとんどが、がんを初めとする重篤な疾患や何尿の治療薬であり、非常に高価であるという事です。例えば、腎細胞がんの治療薬、ソラフェニブは、2008年にようやく国内で承認を得ましたが、それまでの個人輸入対応だと、一本当たり約5700ドルもかかっていました。

 

このように、未承認薬が多いことは、日本の医薬品業界における大きな課題となっています。

 

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また、治療薬の使い方に制限が罹ってしまう場合もあります。例えば、特定部位のがんの治療薬として承認された薬剤を、他部位のがん治療に用いようとすると保険適用外になってしまうのです。いったい、なぜこのような問題が起こってしまうのでしょうか。理由は、人材不足により承認システムがうまく機能していないことにありました。

 

通常新薬等を承認する際には、治験が行われ、その後の審査を通過することで承認されます。治験を行うためには、治験コーディネーターと呼ばれる人たちが、被験者や担当医師の確保といった事前準備を行います。日本では、まずこの治験コーディネーターの数が不足しているのです。

 

さらに、審査を行う審査官も不足しており、2010年時点でアメリカの食品医薬品局に常勤する新参観が2000人いたのに対し、日本ではたったの400人でした。この慢性的な人材不足から脱却しない限り、患者の薬剤費負担が増える一方なのです。

 

承認システムの迅速化が求められる

 

治療のためにどうしても未承認薬を使用したい場合、研究目的などの名目で個人輸入をすることができます。しかし、保険診療と保険外診療を同時に行う、いわゆる混合診療をすることはできず、未承認薬を使用する場合、入院費などその他にかかる費用も100%実費負担しなくてはならないのです。

 

この混合診療問題で裁判沙汰になるケースも多いですが、2011年には最高裁によって、混合診療不可は合法であるという判断が下されました。しかし、一部のがん治療については、混合診療が認められるケースも出てきています。

 

しかしそれも、もともと保険が適用されている治療について、保険診療が認められるようになったというだけの話です。




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