医薬品メーカーの教育研修制度はレベルが高い

医薬品メーカーの教育研修制度はレベルが高い

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どの医薬品メーカーも、通年社員教育に力を注いでいます。医薬品を扱うという事は、一歩間違えれば医療事故に繋がりかねないため、社員全員に販売倫理規定と医薬品適正使用の順守徹底を促しているのです。

 

医薬品メーカーの教育研修制度はレベルが高い

 

医薬品業界の教育研修は、全ての産業の中でも群を抜いて高いと言われています。そしてどのメーカーも、販売の最前線で活躍するMRの教育には、特に力を入れています。MRはいわばメーカーの顔であり、MR一人一人の行動が企業のイメージをも左右するするため、非常に重要視しているのです。

 

MRの認定を受けるには、公益財団法人MR認定センターが行う試験に合格しなくてはなりません。しかしその前に、各企業は同センターが定める「医薬情報担当教育研修要綱」に基づいて社内教育を行うのです。

 

 

2004年にアメリカのメルク社の完全子会社となった万有製薬の例を見ると、2010年に親会社のシュリンプ・プラウ社と統合したことで、MSD(株)となりましたが、充実したMR導入教育研修が用意されており、グローバル企業ならではといったところです。

 

この研修は、基礎教育、製品教育、技能教育、実地教育の4段階に分かれており、6か月間かかります。

 

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基礎教育で学ぶことは、MRの社会的使命と職業倫理、生理学や解剖学、薬理学、薬事関連法規、市販後調査等です。製品教育では、他社製品と比較しながら自社製品の特長、有効性、安全性等について研修します。技能教育では、製品のプレゼンを行ったり、実際の営業活動における様々なシチュエーションを想定したロールプレイングを行います。

 

そして最後に、研修の総仕上げとして、先輩MRに同行して実地教育を行うのです。実地教育では、医師等の医療従事者と面会したり、どのように情報提供が行われるのかを肌で感じることができます。これにより、MRの日常業務の基本を習得していくのです。

 

さらに認定試験直前には、試験対策として特別研修が行われます。

 

 

MR認定の取得後も研修は続く

 

MR認定資格を取得したからといって、それで終わりではありません。MRとしての資質を維持し、さらなる向上を目指して継続教育研修が行われます。MSD社では、毎月1回以上、年間100時間以上をこの継続教育研修に費やしており、疾病、治療法、法規といった基礎教育と、医薬品の最新情報を含む実地教育を行っているとのことです。

 

もちろんどのメーカーでも同じように、そういった教育研修に力いれているのです。業界内の教育研修はMRの養成のみならず、厚生労働省、文部科学省、日本看護協会、日本病院薬剤師会等が実施する治験コーディネーター(CRS)研修や、薬品卸売業の営業担当であるMSの研修、薬剤師が受ける調剤研修等、様々な研修があります。

 

 

また、国外メーカーとの交流研修も行われており、海外の医薬品開発や胃腸制度を学ぶ機会もあります。このように、医療業界における研修制度は非常に充実しています。それは業界にとって必要不可欠だからであり、他の製造業に比べてかなりの時間を研修に費やしていることになります。




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