医薬品メーカーのコミュニティ活動について
ツイート人は日常の中で、どんな悩みを抱え、何を望むのか。医療品メーカーは、「創薬の原点は人の心を知る事である」と考えています。その為、コミュニティとの交流を深める意義を重視しています。
化学薬品を大量に使用する医薬品メーカーの研究所や工場は、臭気や廃棄物の環境に関する問題にいつも頭を悩ませています。無論、苦情や事故といったインシデントやアクシデントは設備の改善により解決されています。しかし、より一層の社会的信頼と近隣住民の理解を得る為、メーカーは常にコミュニティ活動に力を注いでいます。
日本法人が50年を超える歴史のあるファイザー製薬が2000年に創設したのが、市民活動助成プログラム「ファイザープログラム」です。このプロジェクトは、ヘルスケアに関する社会的課題に取り組む市民団体を支援するもので、助成の対象は人件費や事務費までと幅広く援助しています。07年度からは、主に実働世代の30代〜50代の健康問題に関する計26件の事業に対し、4903万円の経済援助を行っています。
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特に、ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)における医療対応マニュアルを作ったり、ホームレスの結核対策をしたり、ギャンブル依存症の女性のための回復支援プロジェクトを進めているのが脚光を浴びています。また、ノバルティス・ファーマは、高齢者や視覚障碍者を支援したり、人工呼吸、マッサージ、自動体外式除細動器(AED)などによる救命講習会の開催を開いたりするなどの事業に力を注いでいます。
かたや、国内メーカーでは、環境問題を重視する武田薬品が、廃棄物の処分量や化学物質の排出量にはっきりした数値目標を設定して削減宣言をし、これにレスポンシブル・ケア活動と名付けています。くわえて、小学生を対象として糖尿病予防プロジェクトを米国で行い、ホームレスの支援事業を欧米でそれぞれ展開するなど、欧米でのコミュニティ活動にも尽力しています。
ヒューマン・ヘルスケアを企業スローガンに掲げるエーザイは、製剤開発そのものを社会貢献と位置付けており、事業のすべてを、モットーの頭文字をそれぞれ取って、hhc活動としています。患者やその家族との交流を重きに置く同社は、盛んに高齢者施設の病棟を訪問したり、様々な疾患の患者会を開催したりしています。こうした活動は医薬品のセールスの促進や、改良のための情報収集の場ともなり、一石二鳥です。
世界への医療、途上国への教育、地球環境の保全、これら三つを主に支援する「希望のふうせん」と呼ばれる募金事業に着手しているのが第一三共です。このプロジェクトにおいては、10年にインドネシアやスマトラ島の森林保護活動や、地球温暖化対策へのアクティブな援助を始めています。
他にも、各メーカーがエネルギーの効率的利用を実現するための、熱源より電力と熱を生産し供給するコージェネレーションシステムを我先に導入しています。未来型の企業とは地球と環境に優しいこと、これが業界全体に認められる姿勢です。
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