製薬におけるロボットの活躍
ツイートテクノロジーの発展により、創薬の効率が上がってきています。人が関わる製造承認や治験などの業務では課題もありますが、機械の活用は目覚ましい勢いで進んでいます。
新薬の開発には、その成分の候補となるリード化合物を探し出します。標的とする病原体にそのリード化合物を一つずつ作用させて、効果の見られる物質を見つけ出すまで続けます。このことをランダムスクリーニングといいます。
ランダムスクリーニングにより、効果を確認できた物質をヒット化合物と呼びます。次になぜ効果があるのかを分析します。ヒット化合物の原子配列を少しずつ変えた周辺化合物を分析していき、最も効果の高い化合物を絞り込みます。
このようにして、医薬品の候補を決めていきます。ランダムスクリーニングからリード化合物にたどり着く確立は0.1%以下で、さらにそこからヒット化合物を見つける確率は5%以下とされています。
ロボットを使って効率的にランダムスクリーニングを行う技術があり、これをコンビナトリアル・ケミストリーといいます。大量かつ高速に化合物を合成することができ、人の手作業では1年に50〜100種類ほどしか作れないリード化合物を5万種以上作ることができます。
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薬の選別でロボットが活躍する
新薬の成分候補として大量に作り出されたリード化合物は、その後選別されるにあたって、リード化合物の受容体の結合の仕組みや、生理機能に関する酵素の活性阻害があるかないかといった生物活性が調べられます。
体から分泌されている生理活性物質に過剰な影響を与えないかどうかの確認です。毒性や安全性の検査が行われたあと、薬として最も適している化合物が絞り込まれます。このような選別作業を効率よく行うシステムがあり、一週間に数万ものスクリーニングができます。これをハイスル―プット・スクリーニングといいます。
このようにテクノロジーを駆使して大量処理ができるようになると、同時に大量の無駄も発生します。これを改善するために開発研究者たちは、ロボットに作業を任せるかわりにロボットの作業を無駄なく効率的になるよう調整していく、という仕事を担当するようになりました。
薬に求める性質を絞り込むため、条件の設定を調整しながらロボットを軌道修正していきます。ロボットが大量の仕事をこなしてくれるようになったとしても、やはり最終的には人間の手による調整が必要となるのです。
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