創薬プロテオームファクトリー事業とは何か?

創薬プロテオームファクトリー事業とは何か?

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医薬品業界におけるコンソーシアムとは、生物がその個性を保ちながらお互いに共生し、しかも各々が発展向上していける集合体のことをさします。日本においてもゲノム創薬が医薬品産業を担ってゆくことが期待され、国家プロジェクトとしてのコンソーシアムが設置されています。

 

創薬プロテオームファクトリー事業とは何か?

 

たんぱく質の解析を行う共同事業が続々と生まれ、ゲノム創薬の基礎が作られつつあります。そのような中、03年に「創薬プロテオームファクトリー・コンソーシアム」が国家プロジェクトとして立ち上げられました。

 

厚生労働省が主導となり、国立医薬品食品衛生研究所と財団法人ヒューマンサイエンス振興財団の協力のもと立ち上げられたこのコンソーシアムは、「疾患関連たんぱく質解析研究」を主な目的としています。糖尿病、高血圧、がん、喘息、痴ほう症の五大疾病をターゲットとした治療法と有効性の高い医薬品の開発支援に期待が集まりました。

 

 

このコンソーシアムでは、これまで研究所や研究者が各自持っていた創薬情報を一同に集めて、疾患関連たんぱく質のデータベースを作りました。そしてプロジェクトを進める中で、開発されたプロテオーム解析技術に関する特許が発生しました。

 

病気にかかった時と健康な時のたんぱく質の違いなど、日本のゲノム創薬の発展につながる貴重な情報が、コンソーシアム研究協力機関や、参加企業に提供されるという成果もありました。

 

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日本人の遺伝子特性を探索するPSC

 

2000年、日本の医薬品メーカー43社が参加したPSC(ファルマ・スニップ・コンソーシアム)も、ゲノム創薬の研究推進を目的としています。「日本人の薬物動態関連遺伝子多型に関する研究」を推し進め、日本人の体質に合う医薬品の使用法に関するデータを集めました。

 

薬物動態関連遺伝子多型とは、薬の吸収や代謝に関わる遺伝子変異のことです。人種や個体差によって薬剤を分解する力、代謝の仕方、効果、副作用の現れ方が異なりますが、これは遺伝子変異の差によるものだと考えられているのです。

 

PSCにより、日本人1000人から集められた血液で、薬物動態関連遺伝子が解析されました。これにより、日本人の薬物動態関連遺伝子の変異の出現する度合い、SNP(遺伝子多型)により生じる変異型のたんぱく質の現れ方、そのタンパク質が薬の吸収や代謝に与える影響などのデータが集められました。

 

2003年にはPSCは調査活動が終了しましたが、集められたデータは医療機関や医薬品メーカー、外部の研究所で活用されています。




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