バイオインフォマティクスの創薬研究について
ツイートこれからの創薬は、遺伝子レベルの研究に基づいたものになっていきます。人体には無限大のたんぱく質とそれに関連する物質が存在しますが、それらの解析は、日々向上するIT技術と共に進められています。
バイオインフォマティクスとは、生物学(バイオ)と情報学(インフォマティクス)の合成語で、生物情報科学と訳すことができます。遺伝子とは、4つの塩基の組合せで、その配列は様々です。バイオインフォマティクスという学問は、塩基配列の違いによる人の様々な生命現象を解析したり、分類、収集したりするものです。
近年のコンピューター技術の進歩があってこそ、バイオインフォマティクスは発展しているといえます。研究に必要な生命現象に関する情報を集めるためにはコンピューターの力を借りる必要があります。また、スクリーニングにもコンピューターが必要です。
人とネズミに共通する遺伝子を見つけ出して、人への影響を調べる研究をする際にも、まずは人とネズミの遺伝子を全部コンピューターに読み込ませて、そのデータをスクリーニングしますが、もしこの一連の作業を人の手作業でこなそうとすれば膨大な時間が必要となるでしょう。バイオインフォマティクスは、コンピューターの処理能力があってこそ成り立つ学問だともいえます。
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国際協調へとシフトする国際競争
世界の3大データベースとされる、国立遺伝学研究所運営の日本DNAデータバンク(DDBJ)、欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)のEMBL、米国国立バイオテクノロジー情報センターのGemBankの連携により、「国際塩基配列データベース」がつくられていますが、バイオインフォマティクスのベースとなる遺伝子情報はここから提供を受けます。
このデータベースには、08年時点で2000億を超える塩基が登録されています。新しく発見された塩基配列については、すぐに登録されるので、世界同時に最新の解析結果が共有されます。
この他に日本では、01年に生物情報解析研究センター(JBIRC)が設立されており、バイオインフォマティクスの中核施設となっています。ここでは、膜たんぱく質(細胞の基本構造である生体膜に存在するたんぱく質)の立体構造解析が進んでおり、世界をリードしています。
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