医療用医薬品とOTC医薬品は、どう違うのか?

医療用医薬品とOTC医薬品は、どう違うのか?

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大衆薬と病院で処方される薬とでは、効き目が違うような気がしませんか?効く薬が手軽に入手できるのが理想です。しかし、医師や薬剤師の管理下でのみ処方される強い薬があるのは、用法を間違えると副作用を招く危険があるためです。

 

医療用医薬品とOTC医薬品は、どう違うのか?

 

医療用医薬品という言葉があります。これは、医師や歯科医師の処方箋及び指示によって提供される薬を指します。一方で、町の薬局やドラッグストアなどで、処方箋の必要もなく買う事のできる薬は一般用医療品、または市販薬、大衆薬などといいます。

 

一般用医薬品は、OTC(Over the Counter Drug)とも呼ばれます。OTCは普通、配合剤(1錠または1包に複数の有効成分が含まれている薬)です。例えば、総合感冒薬と呼ばれる薬には解熱や鎮痛、咳止め8〜9種の成分が含まれており、全体的に見てみると、OTCの風邪薬の成分は現在約60種類が承認されています。一方で医療用医薬品のほとんどは、成分が1錠または1包に一種類です。

 

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OTCは、症状が軽い場合の初期治療薬として使われる事を念頭に置いて作られています。その為、OTCと医療医薬品には、有効成分の量にも違いが出てきます。OTCは薬の知識を持たない一般人が、自分の判断で服用します。その場合の危険性を想定し、有効成分が医療用医薬品の半分から3分の1程に抑えられています。

 

ですから、比較的作用が軽い分、副作用の危険も最小限に止められる訳です。

 

 

こんな例もあります。イボの治療に使われる貼り薬、スピール膏は、薬局で売っていますし、医師も使用します。しかし、OTCの場合は何度も貼り換え、イボが小さくなったら自分で取るのに対して、病院などの皮膚科ではスピール膏で皮膚を柔らかくしてから、液体窒素でイボを直接焼きとってしまいます。

 

このように、同類の薬でもOTCと医療用医薬品では、使用法が全く違うことがあります。

 

 

医療用医薬品は高価

 

2011年の国内医薬品生産額は、約6兆9874億円でした。その内訳は医療用医薬品が約6兆3445億円、OTCは約6172億円。現代においては、医療用医薬品はその生産を大幅に伸ばしています。ちなみに、四十年前の比率はほぼ五分五分でした。

 

日本の健康保険制度。ここに、医療用医薬品がシェアを広めた理由があります。現在、成人でも七割が保険給付になるので、医師から処方された薬を買う時は、随分割安だと感じます。また、治療を求める患者は、医師の選んだ薬を必ずと言っていい程素直に受け入れます。

 

しかし、本当はかなり高価な薬であることも多く、実際の(保険給付がない場合の)価格を知っておくことも、無駄な投薬を避けるためには、必要な措置だと言えましょう。




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