新薬開発と海外進出に乗り出す日本の医薬品メーカー

新薬開発と海外進出に乗り出す日本の医薬品メーカー

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世界の医薬品メーカーは、吸収と合併を繰り返すことで規模を拡大させてきました。また、国内メーカーの上位5位のみならず、それ以外の企業も着々と海外進出を狙っています。日本の製薬メーカーは、まだまだグローパル企業として成功する可能性を秘めているのです。

 

新薬開発と海外進出に乗り出す日本の医薬品メーカー

 

2007年10月、田辺製薬と三菱ファーマが合併し、田辺三菱製薬が誕生しました。この合併により、2011年の国内売上は武田、アステラス、第一三共、大塚、エーザイについて第6位を達成、世界市場でも第26位となりました。

 

1678年、大阪の薬種問屋からスタートした田辺製薬は、抗結核薬や降圧薬のヘルベッサー等で会社の基盤を作り上げ、徐々に規模を大きくしてきました。田辺製薬という名称になったのは1943年のことです。

 

一方の三菱フェルファーマは1990年代後半に、ミドリ十字、三菱化学、吉富製薬等が合併を重ねてできた会社です。当初、旧ミドリ十字が引き起こした薬害エイズ問題やC型肝炎訴訟といったマイナスなイメージを払拭することが大きな課題となっていました。

 

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しかし、合併後の企業実績を見ると、当初の課題をクリアし、順調に成長を続けていることがわかります。2012年度の田辺三菱の売上第1位の医薬品は抗リウマチ薬であるレミケードでした。続く脳保護薬ラジカット、中枢神経用薬セレジスト、セロトニン受容体阻害薬の抗血小板薬アンプラーグ、消化管用薬ウルソ、血圧や心拍を抑えるβ遮断薬メインテート等も有名です。

 

最近開発した薬剤では、多発性硬化症治療薬イムセラ、C型肝炎治療薬テラビック、新規の糖尿病薬であるDPP-4阻害薬ネリアが挙げられ、ネリアや勃起不全薬を主軸に海外展開を目指しています。

 

 

中外、大日本住友、塩野義などの進出

 

国内メーカーの多くは大阪の薬種問屋からスタートしましたが、中外製薬(以下中外)は東京で外資系医薬品企業として創業しました。中外は、親会社であるスイスのロシュが世界中で販売する抗がん剤、腎性貧血治療薬エポジン、そして抗インフルエンザ薬タミフル等の販売で、売り上げを伸ばいている企業です。

 

また、中外が独自開発した間接リウマチ治療薬アクテウムが、国内にとどまらず海外にも普及しており、さらに売上が上がるであろうと予測されています。また、バイオ医薬品の開発力の高さでも一目置かれています。

 

 

国内売上上位20社に名を連ねる外資系メーカーといえば、降圧薬のCa拮抗アムロジンや消化運動機能改善薬で有名な大日本住友製薬、花粉症治療薬でおなじみのアレロックを販売する協和発酵キリン、高脂血症薬呉ストールや降圧薬アパプロを展開する塩野義が有力です。

 

また、大正製薬や佐藤製薬といった一般薬、いわゆるOTCの開発と販売で成長したメーカーも、私たちにとっては身近で大切な企業と言えるでしょう。




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