ファイザーと争うメルク株式会社の評判について
ツイートメルクは、製薬業界第3位のメーカーです。世界の医薬品メーカーは、多くはアメリカ企業がけん引していますが、メルクやファイザーが立役者だと言われています。また、メルクは日本の万有製薬の親会社でもあるので、日本の製薬業界にも大きな影響力があります。
現在のメルク社の前身は、とあるいち事業所でした。1827年に創業したドイツの化学・医薬品メーカーであるメルクが、1891年に米国ニューヨークに開設したものです。これを、第一次大戦中の1917年に米国企業が強制的に取り上げ、米国の企業として独立させました。1990年代には、何度も医薬品売上高世界一にランクインしましたが、時代は進み大手企業の合併・買収が繰り返される中で、いくつもの同業者にその座を譲りました。
ですが、2009年に米国シェリング・プラウ社を買収し、翌年からは第三位に返り咲いています。日本国内での動きを見てみましょう。メルク社は、1954年に万有製薬との合併企業を立ち上げ、1984年には同社の株式を買い増しして、経営権を取得。
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さらに、2003年には万有製薬は完全子会社化され、2009年のシェリング・プラウ社の買収に伴い、日本国においてもシェリング・プラウの日本法人と同社を統合し、米国メルクの日本法人MSD株式会社を設立しました。
この間、長年国内で国内売上高において20位以下に甘んじていた万有製薬は、完全子会社となった2004年には8位、MDSが発足したあとの2011年には6位と、その名を徐々に高めてゆきます。ちなみに、万有製薬の創業は1915年のことです。
当時国内に、はびこっていた梅毒の特効薬サルバルサンの国産化に成功し、会社の基礎を築きました。その後社長になったのが、サルバルサンの製剤化の中心となった科学者、岩垂亨です。万有製薬は、ペニシリンの国産化、利尿薬ヒドロクロロチアジドの開発などでその後も成長を続けました。その技術を高く評価され、メルクの目に留まったという経緯があります。
メルクの製品は幅広い領域をカバーしている
米国メルク本社の海外の子会社はすべてMSDと呼ばれ、これらが有する製品は多岐に渡っています。降圧薬であるARBのニューロタンとACE阻害薬のレニベース、高脂血症治療薬リポバス、ロイコトリエン受容体拮抗薬(ぜんそく治療薬)シングレア、骨粗しょう症治療薬フォサマックなどは、長年同社の売り上げを支えてきた稼ぎ頭です。
現在においては、ニューロタンと利尿剤を配合した降圧剤プレミネント、新規のメカニズムを標榜する糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬ジャヌビア、高齢者の死亡リスクとなる肺炎を予防する成人用肺炎球菌ワクチンのニューモバックスNP、男性用脱毛症薬プロペシア、緑内障治療薬コソプト配合点眼液など、主な製品を並べるだけでも、実に幅広い範囲をカバーしているのがわかります。
また、世界中の医療者に活用されているメルクマニュアルは、同社が1899年から非営利事業として発行を続けているものです。
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