法律や消費者の変化に対応するドラッグストア業界

法律や消費者の変化に対応するドラッグストア業界

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小売業は、「法律の変化」「消費者の変化」の2要因で変化していきます。この変化に対応できた企業は、勝ち残れるのです。規模の大小は、無関係です。変化に対応できた企業のみが勝ち残っていくのです。

 

法律や消費者の変化に対応するドラッグストア業界

 

OTC販売は競争が激化している

 

@改正薬事法の施行

 

09年に薬事法が改正されました。OTC薬(一般用医薬品)の規制緩和がなされました。一律の扱いであった医薬品を3段階に分けたのです。リスクによって、第1類〜第3類に3区分されたのです。第2類、3類については、新たに設置されたのですが、特に、登録販売者を配置すれば、薬剤師がいなくても販売可能となったのです。

 

ドラッグストアは、薬剤師の不足が慢性化していました。店舗の新出店に対応できる薬剤師が確保できなかったのです。しかし登録販売者が設置されて、医薬品の90%以上が販売できるようになりました。薬剤師不足は解消されていきました。

 

また、薬剤師がいなくても登録販売者の雇用によって医薬品販売が可能になりました。その他の業態であるスーパーやGMS、ディスカウントストア、家電量販店などでも医薬品販売に参入が見られます。競争は激化してきたのです。登録販売者は、08年度、09年度の2年間で7万8868人が合格しています。

 

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A医療法の改正による薬局・薬剤師の活躍の場の拡大

 

医療・医薬品など社会保障、社会福祉について80もの法律があります。その中で、医療に関する基本法は医療法です。医療法は、1948年制定されました。改正は5次行われています。制定当時は、戦後復興の中でした。したがって、医療機関整備の色彩が強かったのです。

 

しかし、環境や社会情勢の変化で第5次の改正では「患者す対の医療法」の性格の強いものになりました。患者の権利や医療担当者の患者保護などが盛り込まれています。薬剤師の立場は第2次改正で「医療の担い手」と明記されました。

 

そして、薬局は第5次改正で「医療提供施設」との位置づけとなりました。薬局や薬剤師の役割は、これからの高齢化社会の中でしっかりと認識されたのです。

 

 

医薬品のリスク区分
改正薬事法ではリスク程度の高い医薬品を第1類、比較的リスクが高いものを第2類、リスクの低い医薬品を第3類に分類した。第1類は薬剤師のみが扱う。

 

登録販売者
09年の薬事法改正で新たに創設された医薬品販売の専門家。医薬品販売の実務経験1年を経て。都道府県試験に合格することで取得できる。第2,3類医薬品の販売ができる。

 

薬剤師不足問題
ドラッグストアは旺盛な出店に薬剤師確保が間に合わず、2000〜2002年にかけて各地で薬剤師不足問題として行政指導を受けるなど社会問題になった。この流れが、薬剤師に変わる医薬品販売の専門家である登録販売者の創設につながった。




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