臨床薬学(クリニカル・ファーマシー)とは?

臨床薬学(クリニカル・ファーマシー)とは?

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薬学教育や医療の現場では臨床薬学という言葉はごく一般的に使われます。いまはファーマシューティカルケアという風に変わってきているようです。患者に向き合う薬剤師の姿勢がこのような表現に変化してきているのです。

 

臨床薬学(クリニカル・ファーマシー)とは?

 

臨床薬学の契機になった薬剤師不要論

 

クリニカルファーマシーの概念はアメリカで誕生しました。工業技術の発展とともに、調剤が技術でなく、作業になっていきました。薬剤師不要といわれた時代、アメリカの薬剤師たちは生き残るためには薬剤師の価値を社会に知らしめなくてはならないと病棟で薬剤師の役割を積極的にアピールしたのです。その結果、薬剤師は改めて「薬の専門家で身近な相談相手」という市民権を得ました。それ以来、クリニカルファーマシーとは、この患者志向型の薬剤業務を呼ぶようになったのです。

 

日本には1970年代にこの概念は入ってきましたが、当時は調剤薬局を作るのがやっと始まったばかりでした。まだ薬剤師自身が自分の存在について考える時代ではなかったのです。

 

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日本では薬剤師の病棟業務から

 

1988年に診療報酬のなかに、薬剤師が病棟で服役指導をすると基本料が請求出来ることが認められました。これが最初のクリニカルファーマシーでした。先進的な人や現状に疑問を持つ人はどの時代にもどの分野にも存在します。医薬分業の定着時は「処方せん通りの調剤」を行うことが良しとされてました。しかし、それでいいのかと疑問を持ったグループは、分業一号の水野薬局に集い、薬局のあり方を探り始めたのです。そこでは、患者インタビュー、薬歴作成、更には渡米してクリニカルファーマシーの概念も持ち帰ったのです。

 

また、佐谷圭一氏(のちの日本薬学会長 アスカ製薬)はOTC薬の薬歴を1960年代から作成していました。当時は薬歴管理は10%程度の薬局でしか行われていません。地道ですが必要で重要なことでした。調剤報酬で薬歴管理費が付くようになったのは1986年のことでした。

 

フロリダ大学のヘプラー教授が初めてファーマシューティカルケアの概念を定義しました。「患者のQuality of lifeを改善する、はっきりとした結果をもたらすための薬物療法を、責任をもって遂行すること」これは概念ではなく、結果が重要であることを示しているのです。

 

 

■クリニカルファーマシー(臨床薬学)
患者志向の薬剤業務全般を言う。患者との接点を密にするために病棟などで薬剤師が注射薬の調整、服薬指導、TDM(薬物治療モニタリング)、薬歴作成などを行いながら、薬物療法の質的向上と医療費の効果的な運用を図る。
調剤薬局における薬歴管理、服薬指導、投与後のモニタリング、医師や患者への情報提供等も広い意味で臨床薬学と定義できる。

 

■ファーマシューティカルケア
・世界保健機構の定義(WHO)
薬剤師行動の中心に患者の利益を据える行動哲学である。
ファーマシューティカルケアは患者の保険及びQOL(生活の質)の向上のため、明確な治療効果を達成するとの目標を持って、薬物療法を施す際の、薬剤師の姿勢、行動、関与、関心、倫理、知識、機能、責務並びに技能に焦点を当てたものである。

 

 

■ファーマシューティカルケア
薬剤師業務を患者の視点から見直し、薬剤師の行動哲学として体系づけようとする考え方。日本では医療における薬剤師の役割について、国民の共通認識ができていない。その点、歴史的に評価が高まっている欧米と異なる。国民に薬剤師の役割を広く認知してもらうために、薬剤師がどう役に立つべきか、どのような結果を出せばいいのかを考える必要がある。

 

■クリニカルファーマシー
日本では臨床薬学と言われる。患者との接点を密にするために病棟などで薬剤師が注射薬の調整、服薬指導、TDM(薬物治療モニタリング)、薬歴作成などを行いながら、薬物療法の質的向上と医療費の効果的な運用を目的としている。




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