薬剤師の任務とは何か?
ツイート医療法で薬剤師の役割を規定してあります。医療の担い手であり、医師、歯科医師、看護師、薬剤師がそれに該当します。
国家から負託された重要な任務
薬剤師の社会的な役割と法律上の規定は、日常の業務をしている時には考えることはないでしょう。しかし、自らの関わっている本質的な業務上の責務と権限、倫理的な観点を含めての重要性を知っておくことは大切です。
薬剤師の関与する法律で最も上位に位置するのは医療法です。1992年、第2次改正医療法で、「薬剤師は医療の担い手」と規定されました。第1条の2に「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医療師、薬剤師、看護師その他医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき(中略)良質かつ適切なものでなければならない」とあります。
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薬剤師法第1条には「薬剤師は、調剤、医薬品供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する」と定めてあります。どちらも、薬剤師の職種の崇高性と、患者の疾病治療や予防に貢献する社会的に重要なものであることを掲げているのです。
医学・薬学の進歩・発展と共に優れた医薬品が次々に出てきます。しかし、非常に取り扱いも効能もデリケートな医薬品も増えているのです。薬害や副作用の防止発見、医薬品の多重服用の危険を阻止することも薬剤師にとっては通常業務ですが、生命の保持・管理には欠かせないものです。
薬剤師は、自らの職種の社会的責任を理解し、誇りを持って仕事に邁進していただきたいものです。
■薬剤師倫理規定
前文
薬剤師は、国民の信託により、日本国憲法及び法令に基づき、医療の担い手の一員として、人権の中で最も基本的な個人の生命・健康の保持促進に寄与する責務を担っている。
この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに調剤を始め、医療品の創製から供給、適正なしように至るまで、確固たる薬(やく)の倫理が求められる。
薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、薬剤師職能を全うするために、ここに薬剤師倫理規定を制定する。
第1条(任務)
薬剤師は、個人の尊厳の保持と生命の尊重を旨とし、調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活の確保に努める。
第2条(良心と自律)
薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情を持って職能の発揮に務める。
第3条(法令等の遵守)
薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、健康保険法、その他の関連法規に精通し、これら法令等を遵守する。
第4条(生涯研鑽)
薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するように積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努める。
第5条(最善努力義務)
薬剤師は,医療の担い手として,常に同僚及び他の医療関係者と協力し,医療及び保健,福祉の向上に努め,患者の利益のため職能の最善を尽くす。
第6条(医薬品の安全性確保)
薬剤師は,常に医薬品の品質,有効性及び安全性の確保に努める。また,医薬品が適正に使用されるよう,調剤及び医薬品の供給に当たり患者等に十分な説明を行う。
第7条(地域医療への貢献)
薬剤師は,地域医療向上のための施策について,常に率先してその推進に努める。
第8条(職能間の協調)
薬剤師は,広範にわたる薬剤師職能問の相互協調に努めるとともに,他の関係職能をもっ人々と協力して社会に貢献する。
第9条(秘密の保持)
薬剤師は,(廟務上知り得た患者等の秘密を,正当な理由なく漏らさない。
第10条(品位・信用等の維持)
薬剤師は,その職務遂行にあたって,品位と信用を損なう行為,信義にもとる行為及び医薬品の誤用を招き濫用を助長する行為をしない。
■医療の担い手
1948年に制定された医療法では医療の担い手は、医師、歯科医師だけだったが、1992年の第2次医療法改正で看護師と薬剤師が医療の担い手に位置づけられた。このことから医療過誤などで医師以外に薬剤師の責任が問われるようになった。
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