医薬品業界を監視している厚生労働省の仕事とは?
ツイート厚生労働省は国の行政機関として、国民に対する医療行政を監視し、より良い医療を推進するためのリーダーシップをとる任務があります。そして、我が国の医薬品業界が躍進を遂げるために薬事行政が正しく行われる必要があります。
2001年、旧厚生省と旧労働省の統合により、厚生労働省が生まれました。医薬品業界はこの中の医政局、健康局、医薬品食品局と関わりがあります。医政局は医療政策を統括し、質が良く、効率の良い医療の提供を目指し、医療が安全に提供されるためのガイドラインを作っています。最新の遺伝子工学に基づく医療技術の開発、それに派生する医薬品や医療機器産業の振興も行っています。
健康局は保健所を設け、日常の衛生管理を中心に感染症、生活習慣病の予防を推進しています。近年では新型インフルエンザとメタボリック・シンドロームへの対応に追われています。生活衛生関係(飲食に関する業界、旅館業、クリーニング業他)の営業振興、臓器移植の推進、水道水源の確保なども担当しています。
医薬食品局は、医薬品業界を直接管理します。医薬品だけでなく、化粧品、医療機器などの安全性と有効性に関する事柄、覚せい剤などの薬物、血液事業など、国民の命や健康に結びつく問題に取り組んでいます。新薬の治験に関わる業務の整備と管理に携わり、承認審査の責任も負っています。
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厚生労働省の重要な業務である副作用の救済
厚生労働省では、各部局で健康被害に対する制度の見直し、支援制度の実施を行っています。健康局では、06年の「予防接種法の一部改正」や、医薬品食品局では08年に「遺伝子組み換え食品等リスト」を発表しています。
医薬品が正しく使用されたにもかかわらず、発症した副作用には、医薬品副作用被害救済制度が適用され、入院した場合には医療費と手当、日常生活が困難になるほどの障害を引き起こした時には、障害年金と障害児童養育年金、死亡した場合には葬祭料、遺族一時金、遺族年金が給付されます。
03年には、予防接種の副反応で健康を害した場合にも救済給付金が支払われるよう法改正されました。医薬品による副作用の給付金は医薬品業界からの拠出金で賄われますが、、予防接種の副作用に関しては、都道府県が負担します。
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