医薬品メーカーの売り上げは、MRの営業力が支えている
ツイート営業の第一線で活躍するMRによって、医薬品メーカーの売上が左右されるといっても過言ではありません。全体的には医療費削減の動きがある中、売上を維持するためにはMRの営業力が要となっており、どの企業もMR育成に力を注いでいます。
公益財団法人MR認定センターによると、2012年3月末のMR数は過去最高の6万3875人であり、これは前年度より2629人の増加となりました。その一因として、MR業務受託し、社員をメーカーに派遣する企業(CSO)が増えていることが挙げられます。
MRの営業活動は、厳しい行動基準により自由度が制限されているため、CSOから契約社員という形で即戦力を増員する企業が増えているのでしょう。一方でLPMAは、MRへの安定した報酬と環境の提供を促すため、「MRの報酬体系は、医療従事者による医薬品の適性使用を損なうようなものであってはならない」との自主規制を掲げ、共和加盟各社に布石をうっています。
さもないと、MRに対し高すぎるノルマや行き過ぎた出来高報酬制度が取られることは容易に想像でき、それにより販売競争が激化し、薬剤の乱用や収益率の高い薬の販売ばかりに偏ることが懸念されるからです。
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企業の動向を暗示するMR一人の売上
MRは、厳しい行動基準の中で、倫理規定に触れる行動を起こさぬよう、慎重に営業活動を行っています。MRの販売力はメーカー別に評価されており、医薬品の売上をMR数で割った数値が、そのメーカーのMR販売力の指標となるのです。
もちろん、流行中の疾患の治療薬を扱っていれば、それ程営業力が無くても薬は売れますし、薬の価格や企業の宣伝力も売上を左右する要因となります。しかし、業界内では思いのほかMR販売力は意識されており、日常的に話の種となっていることも事実です。
では、国内各社のMR一人あたりの売上を企業別にみてみましょう、国内総売上1位の武田薬品は、MR販売力においても強さを見せています。反対に外資系メーカーは、売上に対するMRの数がかなり多いことがわかります。
しかしこれは、単に効率が悪いということでは無く、日本国内での販売営業活動を重視している証拠であり、MR先進国である欧米メーカーが、今後どのようなビジネス展開を描いているのか気になるところです。中には、MRの中でも特定の分野に特化したMRを配置する企業も出てきており、今後も増えると予想されています。
例えば、有力な抗がん剤を持つ外資メーカーで、オンコロジーMRと呼ばれる抗がん剤を専門としたMRを配置している企業もありますが、それもほんの一例です。
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